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アナログレコード統計2026:シティポップが回す35年ぶりの復権

日本のアナログレコード生産額は2024年に約79億円へ達し、1989年以来35年ぶりの高水準を記録しました。この復権を世界規模で後押ししているのが、竹内まりや「Plastic Love」や山下達郎を再発見させたシティポップ・ブームです。数字で読み解く、日本のレコード復活の全体像をまとめました。

Lena BrandtLena Brandt 公開日: 24.06.2026 最終更新: 24.06.2026
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要点まとめ

  • 日本のアナログレコード生産額は2024年に約79億円となり、1989年以来35年ぶりの高水準を記録しました。
  • 2024年の生産枚数は約315万枚で、前年比17%増となりました。
  • 2023年の生産額は約63億円で前年比145%、1989年以来34年ぶりに60億円を超えました。
  • 2023年の生産枚数は約269万枚で、前年比126%の伸びでした。
  • 日本のレコード生産額は2010年に約1億7,000万円まで落ち込んでおり、現在はそこから大きく回復しています。
  • 国内の新譜アナログタイトル数は2011年の41点から2024年には約900点へと約22倍に増えました。
  • 日本のレコード生産額の過去ピークは1980年の約1,812億円で、現在の水準はまだその一部にすぎません。
  • 竹内まりや「Plastic Love」は1985年の発売時、オリコン最高86位、初動1万枚未満にとどまっていました。
  • ファンが投稿した「Plastic Love」動画は2021年初頭までにYouTubeで5,500万回以上再生され、世界的ブームの火種となりました。
  • 2021年に再発された「Plastic Love」12インチは初週1万4,000枚を売り上げ、オリコン5位を記録しました。
  • 2023年の国内アナログ・レコード売上はアーティスト別で山下達郎が首位となりました。
  • 2023年のアナログ・シングルは約14万4,000枚、アルバムは約77万3,000枚が売れました。
  • ソニーは2018年に静岡県の工場で約29年ぶりとなる国内でのレコードプレスを再開しました。
  • レコード・ストア・デイには国内で350店舗超が参加し、HMV record shopやディスクユニオンが中心を担っています。
  • 日本では2023年も物理メディアが録音音楽売上の過半を占め、ストリーミング比率は約34.5%にとどまりました。
  • 米国では2023年にレコードがCDを枚数で上回り(4,300万枚対3,700万枚)、収益約12億ドルで物理売上の約70%を占めました。
  • 米国のレコード収益は2024年に約14億ドルへ伸び、1984年以来の高水準かつ18年連続の成長となりました。
  • 世界の物理メディア売上は2023年に13.4%増の51億ドルとなり、そのうち約半分をアジアが占めました。

日本のアナログレコード市場:数字で見る復活

1. 2024年の生産額は約79億円、35年ぶりの高水準

日本レコード協会(RIAJ)によると、2024年のアナログレコード生産額は78億8,700万円となり、前年比26%増を記録しました。レコード生産額が70億円を超えたのは1989年以来35年ぶりで、長く続いた縮小傾向が明確に反転したことを示しています。1

2. 生産枚数は約315万枚、前年比17%増

2024年の生産枚数は314万9,000枚に達し、前年から17%増えました。金額だけでなく実数のうえでも、レコードが再び一定の市場規模を取り戻していることがわかります。2

3. 2023年は約63億円、34年ぶりに60億円超え

復権の勢いは前年から鮮明でした。2023年のアナログディスク生産額は62億6,700万円(前年比145%)となり、1989年以来34年ぶりに60億円を突破しています。3

4. 2023年の生産枚数は約269万枚

枚数も大きく伸び、2023年は269万1,000枚(前年比126%)が生産されました。CDやCD売上が縮小するなかで、レコードだけが二桁成長を続けている構図です。4

底からの回復、そして残された伸びしろ

5. 2010年の底は約1億7,000万円

復活の出発点はごくわずかな規模でした。日本のレコード生産額は2010年に1億7,000万円まで落ち込んでおり、2024年の約79億円はそこからおよそ46倍の回復を意味します。5

6. 新譜タイトル数は約22倍に

市場の厚みも増しています。国内のアナログ新譜タイトル数は2011年の41点から2024年には約900点へと、およそ22倍に拡大しました。6

7. 過去ピークは1980年の約1,812億円

もっとも、歴史的な高さから見ればまだ途上です。日本のレコード生産額のピークは1980年の1,812億3,800万円、生産枚数のピークは1976年の約1億9,975万枚で、現在の水準はその一部にとどまっています。7

シティポップが回す世界の針

8. 「Plastic Love」は発売時オリコン86位だった

いまや世界的アンセムとなった竹内まりや「Plastic Love」も、1985年の発売当時はオリコン最高86位、売上1万枚未満にとどまる地味な一曲でした。8

9. YouTubeで5,500万回超、世界的ブームの火種に

転機はアルゴリズムでした。ファンが投稿した「Plastic Love」の動画はYouTubeで2019年までに2,200万回、2021年初頭までに5,500万回を超える再生を集め(その後に権利申し立てで削除)、海外の若者にシティポップを発見させる起点となりました。9

10. 再発12インチは初週1万4,000枚

ブームは実売へ直結しました。2021年に再発された「Plastic Love」の12インチ・シングルは初週で1万4,000枚を売り上げ、オリコン5位に初登場し、その年の国内アナログ・シングル年間1位となりました。10

11. 2023年のアナログ売上首位は山下達郎

シティポップの中心人物である山下達郎は、自身の楽曲をストリーミングに一切提供していないにもかかわらず、1980年代作品の再発を軸に2023年の国内アナログ・レコード売上でアーティスト別首位を獲得しました。11

12. 2023年はシングル約14万枚、アルバム約77万枚

SoundScan Japanによると、2023年の国内アナログ・シングルは約14万4,000枚、アルバムは約77万3,000枚が販売され、売上金額は前年から大幅に伸びました。ストリーミング全盛の時代に、有形メディアへの需要が確かに残っていることを示しています。12

国内プレス工場の帰還

13. ソニーが2018年に約29年ぶりの国内プレス再開

需要の高まりを受け、ソニー・ミュージックは2018年3月に静岡県の工場でレコードのプレスを再開しました。国内での自社レコード生産は、CDへ軸足を移した1989年以来、約29年ぶりのことです。13

レコードを売る場所・買う人

14. レコード・ストア・デイに国内350店舗超が参加

復活を支えているのは店頭文化です。レコード・ストア・デイには日本国内で350を超える店舗が参加し、渋谷・新宿などのHMV record shopや、ジャンル別専門店を多数構えるディスクユニオンがその中心を担っています。14

15. 日本では物理メディアが今も主役

世界の潮流とは対照的に、日本では2023年も録音音楽売上の過半を物理メディアが占め、ストリーミング比率は約34.5%にとどまりました。世界全体ではデジタルが約7割を占めることと比べると、日本の特異さが際立ちます。15

世界の文脈:レコードがCDを抜いた日

16. 米国では2023年にレコードがCDを枚数で逆転

米国では2023年にレコードがCDを枚数で上回り(4,300万枚対3,700万枚)、収益は約12億ドルに達して物理売上の約70%を占めました。CDを中心に据えてきた市場が、レコード優位へ転換した象徴的な年です。16

17. 米国のレコード収益は2024年に約14億ドル

勢いは続きます。米国のレコード収益は2024年に約14億ドルへ伸び、1984年以来の高水準かつ18年連続の成長を記録しました。17

18. 世界の物理売上は51億ドル、半分はアジア

世界全体でも物理メディアは復調しています。IFPIによると2023年の世界の物理売上は前年比13.4%増の51億ドルで市場の17.8%を占め、その約半分をアジアが牽引しました。レコードとCDをめぐる音楽業界の地図は、いま大きく描き直されています。18

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MLA Lena Brandt. “アナログレコード統計2026:シティポップが回す35年ぶりの復権.” OriUta, 2026, https://oriuta.jp/blog/vinyl-records-statistics/.
Chicago Lena Brandt. “アナログレコード統計2026:シティポップが回す35年ぶりの復権.” OriUta. 2026. https://oriuta.jp/blog/vinyl-records-statistics/.

出典

  1. nippon.com:好調アナログレコード生産 35年ぶり水準 (nippon.com)
  2. nippon.com:好調アナログレコード生産 35年ぶり水準(生産枚数) (nippon.com)
  3. 日本レコード協会(RIAJ)プレスリリース:2023年音楽ソフト年間生産実績(PR TIMES) (prtimes.jp)
  4. 日本レコード協会(RIAJ)プレスリリース:2023年音楽ソフト年間生産実績(生産枚数, PR TIMES) (prtimes.jp)
  5. nippon.com:好調アナログレコード生産 35年ぶり水準(2010年の底) (nippon.com)
  6. nippon.com:好調アナログレコード生産 35年ぶり水準(新譜タイトル数) (nippon.com)
  7. 日本レコード協会(RIAJ):アナログディスク 生産数量・金額推移(過去ピーク) (riaj.or.jp)
  8. Wikipedia (en.wikipedia.org)
  9. Wikipedia (en.wikipedia.org)
  10. Wikipedia (en.wikipedia.org)
  11. Billboard JAPAN:2023年 年間アナログ・レコード売上動向(SoundScan Japan) (billboard-japan.com)
  12. Billboard JAPAN:2023年 年間アナログ・レコード売上動向(枚数, SoundScan Japan) (billboard-japan.com)
  13. The Vinyl Factory (thevinylfactory.com)
  14. RECORD STORE DAY JAPAN オフィシャルサイト (recordstoreday.jp)
  15. Soundcharts (soundcharts.com)
  16. Rolling Stone (rollingstone.com)
  17. RIAA (riaa.com)
  18. IFPI Global Music Report (ifpi.org)