日本の音楽産業を数字で見る:世界2位、いまだCDが主役の市場
世界の音楽産業はストリーミングが売上の約69%を占めますが、日本ではストリーミングはフィジカルを含む市場全体の約34%にとどまり、いまだ約3分の2をCDなどのパッケージが支えています。それでも日本は2024年もアメリカに次ぐ世界2位のレコード音楽市場です。
要点まとめ
- 2024年の世界のレコード音楽売上は約296億ドル、前年比4.8%増。
- 世界ではストリーミングが売上の69.0%(約204億ドル)を占める。
- 日本はストリーミングが市場全体の約34%にとどまり、約3分の2がパッケージ。
- 日本は2024年もアメリカに次ぐ世界2位のレコード音楽市場。
- 音楽ソフトと配信を合わせた日本市場は2024年に約3,285億円。
- 日本の音楽ソフト(フィジカル)生産額は2024年に2,052億円。
- 日本の音楽配信売上は2024年に1,233億円で11年連続プラス成長。
- ストリーミングは日本の音楽配信売上の91.8%(1,132億円)。
- サブスクリプション/音楽だけで2024年に926億円、前年比9%増。
- 世界の有料サブスク会員は2024年に約7億5,200万人。
- 世界のフィジカル売上は2024年に約48億ドル、シェア約16%。
- アナログレコードは2024年も4.6%増で18年連続の成長。
- 日本のライブ・エンタメ市場は2024年に過去最高の7,605億円。
- ライブの音楽分野だけで5,299億円、前年比11.4%増。
- ライブ市場は2019年比で20.8%増と完全回復。
- ぴあ総研はライブ市場が2030年に8,700億円規模になると予測。
- 日本のアイドル市場は2024年度に2,350億円、前年比23.7%増。
- 2024年の年間シングル1位はSnow Manで126.3万枚。
- 2024年Billboard Japan年間1位はCreepy Nutsで5.4億回超再生。
- カラオケのユーザー市場は2023年度に約4,468億円まで回復。
- アニメ産業の音楽分野は2023年に267億円。
- アニメのライブ分野は2023年に1,081億円、前年比11.2%増。
- 日本のアーティストのSpotify収益の約半分が海外由来(2024年)。
- 世界のアニメ音楽のSpotify再生は2021年比で395%増。
世界の中の日本:第2位の市場
1. 世界のレコード音楽売上は約296億ドル
IFPI(国際レコード産業連盟)によると、2024年の世界のレコード音楽売上は約296億ドルで、前年比4.8%増となりました。配信を中心に世界市場は成長を続けています。1
2. 世界ではストリーミングが売上の69.0%
世界全体では、ストリーミングがレコード音楽売上の69.0%(約204億ドル)を占めています。サブスクを軸にしたストリーミングが、いまや世界の音楽産業の標準です。2
3. 日本はストリーミングが市場全体の約34%
ところが日本では、ストリーミングはフィジカルを含む音楽市場全体の約34%にとどまります。残る約3分の2をCDなどのパッケージが支えており、ストリーミング一色の世界とは大きく異なる構造です。CD売上の動向も合わせて見ると、この特殊さがよくわかります。3
4. 日本は世界2位のレコード音楽市場
IFPIのデータでは、2024年も日本はアメリカに次ぐ世界2位のレコード音楽市場でした。フィジカル比率の高さという独特の性格を保ちながら、世界トップクラスの規模を維持しています。4
市場規模:音楽ソフトと配信
5. 音楽ソフトと配信を合わせて約3,285億円
日本レコード協会(RIAJ)によると、2024年の音楽ソフト生産額2,052億円と音楽配信売上1,233億円を合わせた市場規模は3,285億円で、3年連続で3,000億円を超えました。5
6. フィジカル生産額は2,052億円
音楽ソフト(CDやアナログ盤などのフィジカル)の生産額は2024年に2,052億円でした。前年比93%とやや減少したものの、いまだ日本市場で最大の一角を占めています。アナログレコードの動向もフィジカル人気を象徴しています。6
7. 音楽配信売上は1,233億円で11年連続成長
2024年の音楽配信売上は1,233億円となり、11年連続のプラス成長を記録しました。フィジカルが伸び悩む一方で、配信が市場の成長エンジンになっています。7
8. ストリーミングが配信売上の91.8%
音楽配信売上の内訳を見ると、ストリーミングが1,132億円で全体の91.8%を占めます。ダウンロード販売は縮小し、配信の中ではストリーミングへの移行がほぼ完了しています。SpotifyやApple Musicが日本でも主要なプレーヤーです。8
9. サブスクリプション/音楽は926億円
このうちサブスクリプション/音楽だけで926億円に達し、前年比9%増となりました。定額制が日本の配信市場の中心です。9
世界と比べる:ストリーミングとフィジカル
10. 世界の有料会員は約7億5,200万人
世界の有料音楽サブスク会員は、2024年に約7億5,200万人に達し、前年比10.6%増となりました。世界の音楽消費は急速にサブスクへ移っています。Amazon MusicやYouTube Musicもこの拡大を後押ししています。10
11. 世界のフィジカル売上は約48億ドル
世界のフィジカル売上は2024年に約48億ドル(前年比3.1%減)で、全体に占める割合は約16%でした。日本のように約3分の2をフィジカルが占める市場が、いかに例外的かがわかります。11
12. アナログレコードは18年連続成長
世界のアナログレコード売上は2024年も4.6%増となり、18年連続の成長を記録しました。フィジカルへの愛着は日本だけのものではなく、世界的なリバイバルの一面でもあります。12
ライブとアイドル:体験の市場
13. ライブ・エンタメ市場は過去最高の7,605億円
ぴあ総研によると、2024年のライブ・エンタテインメント市場(音楽・ステージ)は7,605億円となり、過去最高を更新しました。前年比10.9%増の力強い伸びです。13
14. ライブの音楽分野だけで5,299億円
このうち音楽分野だけで5,299億円(前年比11.4%増)に達します。ライブの音楽分野は、日本の音楽配信売上(1,233億円)を大きく上回り、コンサートが日本の音楽経済の柱であることを示しています。14
15. ライブ市場は2019年比で20.8%増
2024年のライブ市場は、コロナ禍前の2019年(6,295億円)と比べて20.8%増となり、完全に回復しました。「推し活」消費の定着が成長を支えています。15
16. 2030年には8,700億円規模へ
ぴあ総研は、ライブ・エンタメ市場が2030年に8,700億円規模まで拡大すると予測しています。体験型の消費が今後も市場をけん引する見通しです。16
17. アイドル市場は2,350億円
矢野経済研究所の「オタク」市場調査によると、日本のアイドル市場は2024年度に2,350億円(前年比23.7%増)となりました。CDの複数枚購入やライブ需要が、日本のフィジカル文化とも深く結びついています。17
ヒット曲とチャート
18. 2024年の年間シングル1位は126.3万枚
オリコンの2024年年間ランキングでは、Snow Manの「LOVE TRIGGER / We'll go together」が126.3万枚で年間シングル1位となりました。トップ作品がいまだ100万枚を超えるのは、フィジカル文化が根強い日本ならではです。18
19. Billboard Japan年間1位は5.4億回超再生
Billboard Japan Hot 100の2024年年間チャートでは、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が1位となり、集計期間中の再生回数は5億4,731万回を超えました。配信の世界では海外でも話題を呼びました。19
カラオケ・アニメ・海外進出
20. カラオケのユーザー市場は約4,468億円
全国カラオケ事業者協会の「カラオケ白書」によると、カラオケのユーザー市場は2023年度に約4,468億円まで回復しました。カラオケは日本の音楽文化を象徴する大きな市場です。20
21. アニメ産業の音楽分野は267億円
日本動画協会の「アニメ産業レポート2024」によると、アニメ産業の音楽分野は2023年に267億円でした。アニメと音楽の結びつきは、日本の音楽産業の重要な特徴の一つです。21
22. アニメのライブ分野は1,081億円
同レポートによると、アニメ関連のライブ分野は2023年に1,081億円(前年比11.2%増)に達しました。YOASOBIやAdoのようなアニメと結びついたアーティストが、ライブ市場の成長も支えています。22
23. アーティスト収益の約半分が海外由来
Spotifyによると、2024年には日本のアーティストがSpotifyで得た収益の約半分が日本国外から生まれ、その多くが日本語の楽曲によるものでした。日本の音楽は確実に世界へ広がっています。23
24. アニメ音楽の世界再生は395%増
世界のアニメ音楽のSpotify再生回数は、2021年比で395%増と急伸しました。シティポップやアニソンを入り口に、日本の音楽が国境を越えて聴かれています。AIを使った楽曲制作の広がりについてはAI音楽の動向も参考になります。24
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出典
- IFPI Global Music Report:2024年の世界レコード音楽売上は約296億ドル、前年比4.8%増 (ifpi.org)
- IFPI Global Music Report:世界ではストリーミングが売上の69.0%(約204億ドル) (ifpi.org)
- 日本レコード協会(RIAJ/PR TIMES):ストリーミングは市場全体のシェアを34%まで拡大 (prtimes.jp)
- Music Business Worldwide(IFPI):2024年も日本はアメリカに次ぐ世界2位のレコード音楽市場 (musicbusinessworldwide.com)
- 日本レコード協会(RIAJ/PR TIMES):音楽ソフト2,052億円+配信1,233億円=3,285億円(2024年) (prtimes.jp)
- Musicman(日本レコード協会):2024年の音楽ソフト生産額は2,052億円 (musicman.co.jp)
- 日本レコード協会(RIAJ/PR TIMES):2024年年間音楽配信売上1,233億円、11年連続プラス成長 (prtimes.jp)
- 日本レコード協会(RIAJ/PR TIMES):ストリーミングは音楽配信売上の91.8%(1,132億円) (prtimes.jp)
- Musicman(日本レコード協会):2024年サブスクリプション/音楽926億円、前年比9%増 (musicman.co.jp)
- Music Business Worldwide(IFPI):世界の有料サブスク会員は2024年に約7億5,200万人 (musicbusinessworldwide.com)
- IFPI Global Music Report:世界のフィジカル売上は2024年に約48億ドル(前年比3.1%減) (ifpi.org)
- IFPI Global Music Report:アナログレコードは2024年も4.6%増で18年連続成長 (ifpi.org)
- ぴあ総研:2024年のライブ・エンタメ市場は過去最高の7,605億円(前年比10.9%増) (corporate.pia.jp)
- ぴあ総研:2024年ライブの音楽分野は5,299億円、前年比11.4%増 (corporate.pia.jp)
- ぴあ総研:2024年ライブ市場は2019年(6,295億円)比で20.8%増 (corporate.pia.jp)
- ぴあ総研:ライブ・エンタメ市場は2030年に8,700億円規模と予測 (corporate.pia.jp)
- 矢野経済研究所「オタク」市場調査:日本のアイドル市場は2024年度2,350億円、前年比23.7%増 (yano.co.jp)
- オリコン2024年年間ランキング:年間シングル1位はSnow Man「LOVE TRIGGER / We'll go together」126.3万枚 (oricon.co.jp)
- Billboard:Billboard Japan 2024年年間1位はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、5億4,731万回超再生 (billboard.com)
- 全国カラオケ事業者協会「カラオケ白書2024」:カラオケのユーザー市場は2023年度約4,468億円 (karaoke.or.jp)
- 日本動画協会「アニメ産業レポート2024」(Anime!Anime!):アニメ産業の音楽分野は2023年に267億円 (anime.eiga.com)
- 日本動画協会「アニメ産業レポート2024」(Anime!Anime!):アニメのライブ分野は2023年に1,081億円、前年比11.2%増 (anime.eiga.com)
- Spotify Newsroom:2024年に日本のアーティストのSpotify収益の約半分が海外由来 (newsroom.spotify.com)
- Music Business Worldwide(Spotify):世界のアニメ音楽のSpotify再生は2021年比で395%増 (musicbusinessworldwide.com)
Lena Brandt