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Deezerの数字で見る世界と日本:なぜ日本ではほぼ無名なのか

Deezerは世界185カ国以上で展開し、有料会員920万人を抱えるフランス発のストリーミング大手です。しかし日本ではほぼ無名で、市場はSpotifyやApple Music、Amazon、そして国内勢のLINE MUSICやAWAが握っています。世界での実力と、日本での不在を25の数字で解説します。

Lena BrandtLena Brandt 公開日: 24.06.2026 最終更新: 24.06.2026
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要点まとめ

  • Deezerは2007年にパリで創業したフランス発のサービスです。
  • 世界185カ国以上で利用でき、日本は当初の展開から除外されました。
  • 日本では2017年にOnkyo・Yamaha経由のHiFi版を出しただけです。
  • 2022年からEuronextパリに上場しています(ティッカーDEEZR)。
  • 2024年末の有料会員は970万人で、前年比約8%減でした。
  • 2024年の売上は約5.42億ユーロ、前年比11.8%増でした。
  • 2025年は創業以来初の通期黒字、純利益約850万ユーロでした。
  • 2025年上半期の有料会員は920万人に減少しました。
  • 2024年の売上は直接課金64%、提携31%、広告5%でした。
  • フランス1国でDeezerの売上の約58%を占めます。
  • カタログは1.2億曲超で、ギネス世界記録に認定されています。
  • 1日約6万曲(配信全体の39%)がAI生成曲という状況です。
  • Deezerの世界シェアは約8位、首位Spotifyは32.2%です。
  • 世界の有料ストリーミング会員は2024年に8.18億人に達しました。
  • IFPI集計では2024年の有料会員は7.52億人(+10.6%)でした。
  • 日本ではSpotify24.1%、Apple Music21.5%が上位です(2023年)。
  • Amazon Music15.5%が日本3位で、国内勢を上回ります(2023年)。
  • 日本は世界第2位の音楽市場ですが2024年はほぼ横ばいでした。
  • 日本の音楽配信売上は2024年に過去最高の1233億円でした。
  • 日本ではストリーミングが収益の約35%、CDが約65%です。
  • 日本のフィジカル音源売上は2024年に約1490億円でした。
  • 日本の定額音楽利用者は2025年末に3250万人へ拡大見込みです。
  • Z世代調査ではApple Music34.3%が首位、Deezerは圏外でした。
  • 日本のサブスク・ストリーミング売上は2024年に100%超伸びました。
  • Spotifyの日本参入は2016年で、海外勢は長く苦戦してきました。

Deezerとは:世界での立ち位置

1. 2007年にパリで創業したフランス発のサービス

Deezerは2007年8月にパリで、Daniel Marhely氏とJonathan Benassaya氏によって設立されました。世界規模で成功した数少ないフランス発のデジタルサービスの一つで、本社は今もパリにあります。1

2. 世界185カ国以上で利用でき、日本は当初の展開から除外

Deezerは現在185カ国以上で利用できますが、2012年に世界展開を本格化させた際、日本は明確に対象から外されていました。世界的な大手でありながら、最初から日本市場を後回しにしたことが、現在の不在につながっています。2

3. 日本では2017年にHiFi版を出しただけ

Deezerが日本市場へ向けて動いた唯一の事例は、2017年12月にハイレゾ対応の「Deezer HiFi」をOnkyoやYamahaといった国内オーディオ機器メーカーと組んで投入したことです。あくまでオーディオファイル向けのニッチな施策で、一般向けの本格展開ではありませんでした。3

4. 2022年からEuronextパリに上場

Deezerは2022年7月5日、SPAC(特別買収目的会社)I2POとの統合を経て、Euronextパリ市場に上場しました。ティッカーは「DEEZR」で、Euronext Tech Leadersセグメントにも含まれています。日本の投資家や利用者にはなじみの薄い、欧州の上場企業です。4

数字で見るDeezerの経営

5. 2024年末の有料会員は970万人

Deezerは2024年末時点で有料会員970万人を抱えていましたが、これは前年比で約8%の減少でした。SpotifyApple Musicと比べると、世界全体でもごく小さな規模にとどまっています。5

6. 2024年の売上は約5.42億ユーロ

Deezerの2024年の売上は約5億4170万ユーロで、前年比11.8%増でした。同社はユーロ建てで決算を行うパリ拠点の企業で、為替の影響を受けながらも、価格改定と提携を背景に二桁成長を維持しました。6

7. 2025年は創業以来初の通期黒字

Deezerは2025年度に、創業以来初めて通期での黒字を計上しました。純利益は約850万ユーロで、2024年の約2600万ユーロの赤字からの大きな転換でした。長年赤字が続いていた同社にとって、節目となる決算です。7

8. 2025年上半期の有料会員は920万人に減少

有料会員数は2025年上半期に920万人へと減り、前年同期の1000万人から後退しました。減少分の多くは、ブラジルのMercado Libreとの提携など、プロモーション経由のアカウントの整理によるものです。8

9. 2024年の売上は直接課金64%、提携31%、広告5%

Deezerの2024年の売上構成は、直接課金が64%、通信会社や小売との提携が31%、広告がわずか5%でした。広告無料モデルに頼らず、有料会員からの収益を中心に据えているのが特徴です。9

10. フランス1国で売上の約58%

地域別では、母国フランス1国でDeezerの売上の約58%を占めます。これは同社が単一市場に強く依存していることを示しており、日本のような遠い市場への展開余力が乏しい背景にもなっています。10

11. カタログは1.2億曲超でギネス世界記録

Deezerのカタログは1億2000万曲を超え、ギネス世界記録に認定されています。曲数の規模では大手に引けを取りませんが、日本の利用者にとっては、そもそも使う機会のないサービスのままです。11

12. 1日約6万曲がAI生成曲

2025年のDeezerでは、1日あたり約6万曲もの完全AI生成曲がアップロードされており、これは1日の新規配信全体の約39%に相当します。これはAI音楽の急増という、すべての配信サービスが直面する課題を象徴する数字です。12

世界の中でのDeezerの順位

13. 世界シェアは約8位、首位Spotifyは32.2%

会員数で見ると、Deezerの世界順位は約8位にとどまります。首位のSpotify1社だけで2024年の世界の有料会員の32.2%を占めており、Deezerは断片化した「その他」の一角に位置づけられます。13

14. 世界の有料会員は2024年に8.18億人

Deezerが戦う土俵である世界の有料音楽ストリーミング会員は、2024年に8億1800万人(前年比12%増)に達しました。市場は拡大を続けていますが、その恩恵の大半はDeezer以外の大手が取り込んでいます。14

15. IFPI集計では2024年の有料会員は7.52億人

国際レコード産業連盟(IFPI)の集計でも、2024年の世界の有料ストリーミング会員は7億5200万人(前年比10.6%増)に達し、有料サブスクは録音音楽市場の51.2%を占めました。ストリーミングが世界の主役になった一方で、日本ではその構図がまだ完全には成り立っていません。15

日本のストリーミング市場という別世界

16. 日本ではSpotify24.1%、Apple Music21.5%が上位(2023年)

2023年の日本のストリーミング市場では、Spotifyが24.1%、Apple Musicが21.5%と上位を占めました。ここにDeezerの名前は登場しません。日本の利用者の選択肢の中に、そもそも入っていないのです。16

17. Amazon Music15.5%が日本3位(2023年)

2023年の日本市場では、Amazon Music Unlimitedが15.5%で第3位につけ、国内勢のLINE MUSIC(13.1%)やAWA(10.2%)を上回りました。海外大手と国内勢がしのぎを削る構図の中に、Deezerが割り込む余地はほとんど残されていません。17

18. 日本は世界第2位の音楽市場だが2024年はほぼ横ばい

日本は米国に次ぐ世界第2位の録音音楽市場ですが、2024年はフィジカル(CDなど)の減少を背景に、ほぼ横ばい(マイナス0.2%)でした。巨大な市場でありながら成長が緩やかという点も、海外勢には参入の難しさにつながっています。18

19. 日本の音楽配信売上は2024年に過去最高の1233億円

日本の音楽配信売上は2024年に1233億円となり、前年比約6%増で過去最高を更新しました。デジタル領域は伸びていますが、その成長を取り込んでいるのはSpotifyやApple、Amazon、LINE MUSIC、AWAであり、Deezerではありません。19

なぜ国内サービスとCD文化が日本を制するのか

20. 日本ではストリーミングが収益の約35%、CDが約65%

日本の録音音楽収益は、ストリーミングが約35%にとどまり、CDなどのフィジカルが約65%を占めます。これは世界の多くの市場とは逆の構図で、ストリーミング前提のDeezerにとって不利な土壌です。CDがいかに根強いかは、CD売上の統計でも確認できます。20

21. 日本のフィジカル音源売上は2024年に約1490億円

日本のフィジカル(オーディオ)音源売上は2024年に2%増の約1490億円(約9億8500万ドル)でした。CDがコレクターズアイテムや握手会・投票券などの特典付きで売られる独特の文化が、フィジカル需要を支えています。レコード(アナログ盤)と同様、所有する楽しみが根強く残っています。21

22. 日本の定額音楽利用者は2025年末に3250万人へ

ICT総研の予測では、日本の定額制音楽配信の利用者は2022年末の2770万人から、2025年末には3250万人へ拡大すると見込まれています。市場は着実に伸びていますが、その伸びの中にDeezerの存在感はほとんどありません。22

23. Z世代調査ではApple Music34.3%が首位、Deezerは圏外

2024年の日本のZ世代調査では、音楽サブスクの利用率はApple Musicが34.3%で首位、次いでSpotify25.2%、LINE MUSIC14.4%でした。ここでもDeezerは選択肢として挙がらず、若年層の認知すらほとんど得られていないことがうかがえます。23

24. 日本のサブスク・ストリーミング売上は2024年に100%超伸びた

日本レコード協会(RIAJ)によると、2024年の有料サブスクと広告付き動画ストリーミングの売上は前年から100%超伸び、ストリーミングが配信売上の9割超を占めるようになりました。YouTube Musicを含む海外勢と国内勢がこの成長を取り込んでおり、Deezerはその恩恵の外側にいます。24

25. Spotifyの日本参入は2016年、海外勢は長く苦戦

Spotifyが日本に参入したのは、日本法人設立から4年後の2016年9月でした。海外のストリーミングサービスが長く苦戦してきた市場であり、それこそがDeezerが日本に本格参入してこなかった理由でもあります。日本市場全体の構造は音楽業界の統計でも詳しく見られます。25

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MLA Lena Brandt. “Deezerの数字で見る世界と日本:なぜ日本ではほぼ無名なのか.” OriUta, 2026, https://oriuta.jp/blog/deezer-statistics/.
Chicago Lena Brandt. “Deezerの数字で見る世界と日本:なぜ日本ではほぼ無名なのか.” OriUta. 2026. https://oriuta.jp/blog/deezer-statistics/.

出典

  1. Wikipedia (en.wikipedia.org)
  2. TechRadar (techradar.com)
  3. Complete Music Update (completemusicupdate.com)
  4. Euronext (euronext.com)
  5. Music Ally (musically.com)
  6. Digital Music News (digitalmusicnews.com)
  7. Music Business Worldwide (musicbusinessworldwide.com)
  8. Deezer Newsroom (newsroom-deezer.com)
  9. Arvester (arvester.eu)
  10. ToneIsland (toneisland.com)
  11. Business of Apps (businessofapps.com)
  12. Music Week (musicweek.com)
  13. MIDiA Research (midiaresearch.com)
  14. Music Industry Blog (MIDiA) (musicindustryblog.wordpress.com)
  15. IFPI (ifpi.org)
  16. RouteNote (create.routenote.com)
  17. Statista (statista.com)
  18. The Hollywood Reporter (hollywoodreporter.com)
  19. Billboard (billboard.com)
  20. Soundcharts (soundcharts.com)
  21. LinkedIn (Simon Dyson / RIAJ data) (linkedin.com)
  22. ICT総研 / 日本経済新聞 (nikkei.com)
  23. PR TIMES (ペンマーク Z世代3,000人調査) (prtimes.jp)
  24. RIAJ (adm.riaj.or.jp)
  25. The Japan Times (japantimes.co.jp)